湊√の感想【月に寄りそう乙女の作法】

Navel

湊のふにゃふにゃしてる声すき。
ルナ以外の三人、声とかキャラとかでとりあえず最初は湊にしようと決意。やっぱ幼少期に知り合ってたバフは強い、あと素直に好意を伝えるキャラなのも良い。最近めげないタイプは結構好きだなって気付いた。
で無事に湊√行けたけどこりゃあ中々良かった。
にしても、怒涛の展開っていうか結構急ぎ足だったなぁ。全然満足出来たけど、服飾が本題から逸れてるから人によっては評価下がるのかもね。たぶんこの雰囲気のルートは湊だけなんだろうな。
一回目にやるルートが湊で良かったって思う。

ルート分岐の仕方

とりあえず湊と関わる選択肢を選んでった。つってもユーシェの選択肢もそこそこ選んだ気がするけどたしか湊とユーシェのどちらかを選ぶ選択肢があったからそこで湊√が決まったって感じなのかな。

ルート分岐した瞬間にウインドウフレームとかシステム音声が変わったから分かりやすくて良かった。黄色からピンクに変わってるからね。
変わったってすぐ分かったから色の変化って直感的に分かるんだなぁ。

~夏休み

夏になって湊√に突入した瞬間から湊の出番がめちゃくちゃ増えたのは笑った。うおおおおこれこれこれがギャルゲーだよなぁってなった。
こういうフルボリュームのノベルゲー久々だからね。

湊と朝日の距離感が急接近するけど、まぁ既に遊星バレしてるし元々幼馴染だしでそこまで違和感は覚えなかったかな。
起承転結の起?承?いずれにしても本筋の始まりの部分だからそこまで大きな話は無く。
とはいえ不穏な要素は登場してて、それが湊パパの入院

実際はそこまで大きな病気ってわけでもなく単に心労過労で倒れたって。急成長で成り上がった会社だからね、仕方ねぇ。
ここら辺はリアルタイムで進めてるときはふ~んって感じでそこまで気にしてなかった。というかお見舞いってことで湊家に遊星が出向いたってことの方が重要だと思ってた。

夏休み明け~倒産

夏休みが明けて学校生活が再開されると、なんかトントン拍子に物語が進んでいって、いつの間にか文化祭になってた。ちょっと笑った。
青春系作品って文化祭はかなり重要なイベントになりがちだけど、少なくとも湊√では一瞬で終わった。
まぁ重要っちゃ重要か。新興企業で一代で成り上がった成金家系みたいな感じの湊が、明確にイジメられ始めたって話だったから。

でそのすぐ後に湊の家の会社は倒産した
これはびっくりしたね~。あ、行くところまで行っちゃうんだって。
ここら辺が湊ルートで一番キツイ流れだったような気がする。瞬間的には正体バレの時だけどね。
倒産した原因は湊のクラスメイト。成金なのに、ルナやユーシェといった超資産家たちと仲良くしてたことへの嫉み妬み。それでクラスメイト達の親に湊家のあることないことを吹き込んだら、彼女たちの親が湊家との取引を打ち切ってきたって感じ。
こわ。権力ある人たちの嫉妬は怖いですね~。
それを知ったルナ様や他ヒロインズはブチギレてた。当然だけど、友達想いだねって涙がほろり…

屑どもが……でも作品としてはこれぐらいのヒールは必要だよな。

倒産後~出奔

倒産後、湊の面倒はルナ様が見ることになった。湊の両親がこっちは大丈夫だからって言っていたので。
とはいえ、「対価無しに学費や生活の面倒を見るは流石に友達として……」って湊が拒否したのでメイドとして雇うことに。
ヨヨヨ…お優しいルナ様…
ちなみに、ここら辺で遊星と湊はもう両想いになってた。

そんなこんなでメイドとなった湊は流石に元の客室だと他のメイドに申し訳がってことで部屋移動。七愛と同室にさせるとあぶねぇので朝日と同室になったとさ。
凄い勢いで話が展開されていって面白かったなここ。湊ルートは展開の速さが尋常じゃないから読んでて飽きなかったね。
でも本番無しとはいえ屋敷ですけべ行為に及ぶのは流石にいかんでしょ。

でもそんな生活をしばらく続けてもまた新たな問題が。。。
それが来年以降のフィリ学の学費問題。倒産したから払えんやんってことで、まぁルナ様は代わりに払ってやる気満々だったんだけど、湊がやっぱり甘えたままなのはいけないと思うって決意。
故郷の滋賀へ帰って自立した生活を続けて資金を貯めることにしました。
この辺になるともう遊星も湊と一生添い遂げる決意が決まっていたので、みんなに正体を明かして二人で屋敷を出ることに。
ここめちゃくちゃつらかったヌァ…

ルナ様や瑞穂がショックを受けてるのはきつかった。
でもだからこそ遊星の覚悟を感じられて、やっぱりここはこのルートの中でも大きな見せ場だったと思う。
ここで、夢を一旦諦めてでも湊の為に正体を明かしたってことで湊√は愛の物語って印象が定まったかも。

プロローグであれだけの決意を見せられた後にこれだからなぁ。自分の夢よりも愛する人と添い遂げることを優先する遊星くんかっこいいよ。
自分は夢の物語も愛の物語もどっちも好き。

みんながショックを受けている中でのユーシェのこれは聖母のように見えた。

自立~帰京

正体も明かしたところでいよいよ屋敷を出て滋賀へ
屋敷を出る時にヒロインズやサブキャラ達に激励を貰うところは本当に感動した。あったけぇ…義理人情に厚い作品。

ルナ様…

倒産直後こそ結構なシリアス展開だったけどここからは主人公とヒロインの周囲の温かさに癒されながら進むストーリーになってた。
こ~いうのも良いんだよ。救いが無いのは悲しいからな。

そういうわけで滋賀に戻ってきて再出発だってなった後も、地元の人たちから食材やら生活用品やらを頂いて、周囲の温かさに触れるお二人。
人の世界は縁の世界
自立した生活を送ることになったから二人でバイト、ってか仕事を始めないといけない。地元の商工会の会長の紹介で湊は製本工場勤務、遊星は大学だかの食堂勤務と相成った。
とはいっても、遊星はエリート超人なのでメイドとして屋敷で働いた経験を糧に初日から大活躍。湊も要領よく仕事をこなすので即戦力として迎えられ生活はすぐに安定。
数週間経った後、買い物中の遊星は余りにも顔が良すぎて評判だったので、メイド喫茶のスカウトに声を掛けられる。(ついでに湊も)
食堂や工場の月収より5万も高かったので、湊や紹介してくれた商工会の会長にも相談した結果、快諾してもらえて2人そろってメイド喫茶へ転職
すげ~スピード感。でも遊星の顔の良さや完璧超人っぷりは何度も描写されてたし、屋敷で身に着けた女性らしさって説明には納得。
ちなみに、メイド喫茶のスカウトは、本当に普通にただただ良い人。ちゃんとしたビジネスマンだった。疑ってごめん。

で、メイド喫茶に転職した後は二人が余りにも顔が良すぎる、特に朝日が内面外見揃って完璧すぎるせいで一気にNo.1メイドへ。元々いたNo.1メイドの人と客を奪い合うのは勿体ないということで二号店の話が持ち上がる。
ちなみに、元々No.1だった人もめっちゃ良い人。良い人ばっかりやないかい。
でも資金がまだ足りないからね~って感じだったんだけど、定期的に連絡してくれる瑞穂にその話をしたらすげ~食いついてきてすぐに資金提供をしてくれた。なんだこれ。

ちなみに屋敷の面々はちょくちょく連絡をしてくれる。人格者達だぁ。
そして、2号店は東京に出す予定だったので、2か月を経て東京へ帰ることになった。滋賀の人たちも快く送り出してくれた。あと実家も再興の目途が立った。
瑞穂は元々アイドルや朝日が大好きだったからここで資金提供してくれる流れになったのも自然だったと思う。設定の使い方が上手いなこの作品は。

ED~エピローグ

ぎゃおおおおおん!!!!!
お勤めから…帰って参りました……
なんて良い人達なんだろう。遊星と湊が東京へ戻ってきた時もすぐに出迎えてくれた桜屋敷の面々。
ルナ様は遊星たちを卒業後自らの会社で雇うことを約束してくれて、二人は自らの稼いだお金でフィリ学ではない別の専門学校へ行くことを決めた様子。遊星もルナ様から再度パタンナーとして勧誘を受けることに。
良いね、服飾の道に戻ってこれて本当に良かった。すべてを投げ打つには若すぎる。
そんでみんなで遊星と湊を温かく迎えて未来は輝いているぜ!って感じでエンドロールへ。

いや~最後は桜屋敷の人たちと再会して終わるのは素晴らしいと思うね。このゲームは桜屋敷がメイン舞台だから、今の遊星の人間関係は全てここから始まったからね。

エンドロールの後はエピローグ。
二号店で店長になった遊星達が良い感じに繁盛してるって話。

七愛も加えて、完全に軌道に乗って資金も余裕が見えてきたので、いよいよ別の専門学校へ行くぜって方向性が見えてきた感じ。
東京に帰ってきて、1,2か月ぐらい経ってクリスマスを迎えたからお互いに中身は秘密のクリスマスプレゼントを贈る事にしたけど、遊星は湊にエンゲージリングを贈るのでした。めでたしめでたし。
激動の1年だったな本当に…でも良いエピローグだと思う。これほぼ完全なハッピーエンドじゃないかな。

感想

湊について

湊√だからこれでもかって湊の描写がされてた。
自分は湊の事結構好きなんだよな。ノリ良いし明るいし人の悪口は何一つ言わないし一途だしで。
滋賀へ戻って自立し始めたあたりからアホほどイチャイチャするようになったのは笑った、どんだけお前らラブラブやねんって。
そもそも湊の家は元々庶民的な生活をしてたおかげで、プレイヤーである自分にも馴染み深い要素が多かったと思う。商店街の人たちとかバイトし始めるとことか。

川遊びとか良いよね。自分も昔やったわ懐かしいな。

にしても、家族と仲が良いヒロインって湊だけなんかな?ルナ様はもちろん、ユーシェもほぼ確実に実家との関係は良くないだろうし。瑞穂はどうなんだろ、公務やってる描写あったし悪くはなさそう。
でも湊√は家族との仲の良さもちょくちょく描写されててそこも良かったと思うね。

周りの人たちの優しさ

ヒロインズ

正直、そのヒロインの√に入った時、最も光るのが他ヒロインたちだと思ってる。脇役になるからこそのいぶし銀な活躍ってやっぱり刺さるんだよね

ルナ様はカリスマが凄い。面倒見の良さが十二分に発揮されていた。
ルナ様の√が楽しみでしょうがない。十中八九、いや十中二十、衣遠と遊星の問題も描写されるだろうし。そういえば湊√は衣遠の影も形も無かった、まぁ展開上当然か。

ユーシェはもう聖人だよただの。このゲームで一番の清涼剤だと思う。少なくともこの√では、本当に癒しでしか無かった。
まぁユーシェと湊は普通の友達同士だからね、幼少期会ってたわけでもなし。闇の部分や深いところは描写する理由が無かったのでしょう。
だからこそユーシェ√がこええぜ。

瑞穂は面白かった。最初こそ遊星バレの時は本当にどうなる事かと思ってたけど蓋を開けてみればしっかり優しい友人をやってくれてる。口ではちょくちょく苦言を呈したりなんかしつつも、結局は頼りになる一面を見せてくれたのもポイント高い。

湊√での三人は服飾がほぼ関係無くなったから、才能とか関係なく、友人としての側面が強く描写されてた。おかげで人として良い人達だなぁってつくづく思えるようになったぞ。
湊√だけど瑞穂やユーシェやルナ様の評価がうなぎ上りだ。素晴らしいこと。

サブキャラ達

付き人三人衆は本当に良いキャラしてるわ。
正体をバラしたとき、サーシャは大人として見守る立場を取ってくれてたし、北斗さんも瑞穂の気持ちを尊重して遊星と接してくれてた。


桜屋敷に帰ってきた時も、すっかり優しく迎えてくれてたもんでやっぱりここが還る場所か…

滋賀の人たちも優しかったね。基本的にこの√では必要悪なクラスメイトを除けば全員優しかったわ。

心温まる話

上述の理由でみんな優しかったから凄くスッキリした気分で読むことが出来た。
ストーリーとしては「実家が倒産して主人公は夢を一旦諦めてヒロインと半ば駆け落ち」って文字に起こせばそりゃとんでもないシリアスな話に見えるけど、いざやってみると、「主人公とヒロインは明るく前を向いて周りの人たちに助けられながら最後には新しい道を見つけて皆と再会しながら希望溢れたエンディング」って話だった
世の中の物語には悲しい話や切ない話も溢れているけれども、この√はただひたすらに人の優しさやたくましさを魅せてくれた印象。
こういうのも数多ある創作物を摂取する時に必要だからなぁ。やっぱりストレスのないハッピーエンドは最高だ。
あ、負けヒロインとかがいないのも良かったな。純粋に他ヒロインズは応援してくれたのはポイント高い。友情の物語。

”夢”と”愛”

このゲームの本筋は「服飾の道に進むこと」。そのテーマがあってこの物語は始まったわけで、主人公の遊星クンもその夢の為に小倉朝日になった。
だからこの物語は”夢”の物語って印象が強い。けれどもこの湊√では夢よりも大事なもの、湊への愛情がなによりも大事になったと。
正体をバラして、つまり屋敷や学院での生活を捨ててまで湊の傍に居続ける事を選択した時点で、(あぁこれは愛の物語なんだ)って腑に落ちた。
自分は愛の物語も夢の物語も好きです。結局は目的の為に頑張ることは変わらないからね。
でもギャルゲーとして、ノベルゲーとして”愛”に重点を置いた√を用意してくれたのはポイント高いな~って。
おかげで、より遊星の目的を透明化出来るようになったので。

夢を一旦諦める時も遊星が納得いく形で諦められることが出来たのも良かった。ポジティブに切り替えることが出来た。
にしても本当に、最後には服飾の道に戻ってくることが出来て良かったなぁ~。希望ある素晴らしい終わり方だよマジで。

この√のおかげで

終わってスクショとかを見返してみるとやっぱり自分が何より好きだったのは屋敷の仲間たちとの和気あいあいとした生活だったんだなぁって思った。もちろんヒロイン一人と親身に接するのも良いけど、自分は主人公とヒロインズの5人(付き人達も入れると8人+α)、つまり桜屋敷の面々の絡みが好きだったんだな。
湊√は自立した後はヒロインズがほとんど出てこなくなったからね。寂しかった。

みんな優しくて気遣いが出来て、一緒に服飾の勉強をして共に頑張っていくっていうのは正しく夢・青春の物語
そういう事に気付けたのもあって、湊√が一番最初で良かったとしみじみ。
ゲームの大きな本筋には関わらないサブストーリーみたいな√はギャルゲーあるあるだけど湊√は正にそんな感じの話だった。
やっぱりね必要だよなぁこういう話は。心温まるストーリーでした。

ところで

りそな、、、ヒロインじゃないね?????
ギャラリー機能が解放されたけど、りそなおらんし……つれぇよ俺は…

こんなに一途に想ってくれるキャラの√がないのは流石に人の心が無い。無さすぎる。
やっぱりアレですか?”乙女理論とその周辺”やらないとダメですか??
詳しくは見ていないけど、りそながいた気がするんだあのゲーム。ほぼ主役っぽい。
買うことを半ば決意。待ってろりそな。

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